叱り方(怒るとの違い)
子供の叱り方について、中学校の部活のコーチ経験を持つ
私なりの考え方になります。
目次
怒ると叱るの違い
二つは似て非なるものです。
感情の回路は別回路となっていてスイッチも違います。
怒るとは
怒りとは、自分の触れられたくない一面や、自分の中の一線を超えた場合などに沸き起こるものです。
悲しみや驚きなどの一次感情を経て、怒りへと繋がる訳ですが、それは一種の自己防衛反応だと私は思います。
言動で対象の相手を突き放してしまう行為です。
叱るとは
では叱るとは、対象の相手を想い、今の自分自身の考えや相手の姿、状況を説明し、
相手に対してどのような姿になって欲しいかや、どのように成長して欲しいと願っているか
を言葉で伝える行為だと私は思っています。
怒るのが突き放す行為だとするなら、叱るのは想いをぶつける行為だと思います。
また特に子供に対しては、自分以外の相手や第三者の思考、目線を与える(育てる)機会にもなると思います。
例えるなら
怒るは自分自身が刃と盾そのものであり、
叱るは刃と盾の使い手といったところでしょうか。
怒りに感情が支配された時、それは怒りの思うままに
自分自身が相手を傷つける刃にもなり得ますし、
自分自身のみを守る盾にもなります。
前述したように怒りとは自己防衛反応であり、自分を主とした行動になりがちです。
対して、叱る時は相手を主とします。
なので使い手次第で、相手を傷付ける為では無く守る為に刃と盾を使用できます。
叱り方
私が叱る時にどのような事を考えながら叱っているかを紹介したいと思います。
※私の独断と偏見であり、これが正しいという事ではありませんので、一つの考え方として参考にして頂ければ幸いです。
コーチの頃
コーチをやらせて頂いていた頃は、
「中学生の子が今社会に出たとしても通用するように教育する」
という事を軸にして指導を行っていました。
それは何故かと言うと、
例えばスポーツなどの競技で練習もせずに大会に出ても勝てないのと同じで、
世に言う「大人」は、社会に出た瞬間に出来上がるのでは無く、
小さい頃から、大人と同じように扱われて少しずつ出来上がっていくものだと思っていたからです。
なのでその考えをベースにし、子供の将来を考え、
今のこの子のこの行動がどのように影響していくだろうか、社会に出た時に通用するだろうか、
などというようなことを考えて見るようにしていました。
しかし、とても難しかったです。本当にこれが正しいのかといつも考えてもいました。
自分自身が出来た人間ではないので、ある程度は自分を棚にあげたりもしていました。(もちろん棚に上げているその姿を子供の前で見せたりはしません。)
自分が出来ているから叱るのではなく、願いとして想いをぶつけていました。
2歳児の父として
また、現在はイヤイヤ期ど真ん中の2歳男児の子育てに奮闘している最中です。
イヤイヤ期とは本当に厄介です。
何を言っても嫌、嫌、嫌。
機嫌が最悪の時は子供自身も何に泣いているのかわからずに収拾がつかない事になったりして気が滅入る事も多々あります。
そんな我が子にもコーチの頃の経験を生かして、
極力怒りを抑えて叱る事を心掛けています。
参考になるか分かりませんが、怒りを抑えて叱ることができる考え方の例を挙げさせて頂きたいと思います。
ご飯が出来て、「食べよう。」と子供に提案したところ、
遊びに夢中で「イヤだ。ベー。」と言われます。
その後何度も、何を言っても「イヤだ。ベー。」の繰り返し。
ここでイラッとして怒りたくもなってしまいますが、叱る目線を持っていると
「嫌だ。」と言うのはイヤイヤ期の成長過程の一過性のものだと思うことができます。
教育の目線で注目すべき点は、
その時に子供が怒って物を投げたりした場合や、
「この遊びが終わったらご飯を食べようね。」と約束した事を反故にした場合などです。
こうなった時も怒るのではなく、その事を言葉で伝えるようにしています。(聞く耳を持たない場合は怒気を含ませて喋ります。)
投げる事で投げたものがどうなるか、投げた先に物や人がいた場合にどうなるか、
約束を守らないとどうなるか、相手にどう思われるか、今私がどう思っているかなどを、
今は分からないかも知れないと思いつつも言葉にして伝えています。
それで収拾することは少ないですが、私自身の勉強であり、この先子供を悪い意味で子供扱いしない為の訓練だとも思って行っています。
そして、そのお陰かは分かりませんが、我が子は少し物事を想像しながら今目の前には無いものの話をしたりするようになっています。(ただ単に順調な成長かも知れませんが)
沸点を下げるコツ
結論から言わせていただくと、
なるべく怒らなくて済む環境に変えていくということです。
子供は好奇心の塊みたいなものなので、
自分の足で動き回れるようになると何にでも興味津々です。
親としては望んでいないような危ない行動をしたりする事も多々ありますよね。
そんな行動をされた時は驚きとどうしてそんな事をするのかという気持ちになりイラッとしてしまいがちです。
例えば、
スマホを触って欲しくないのに自分やテーブルから取り上げて、ブンブンした挙句に放り投げられたりしたら
壊れてしまうかも知れないという思いで怒ってしまうと思います。
その時に沸点を下げる方法は、
自分自身にある原因をまず考えることです。
そのスマホを手にする環境を作っていたのは私だと考えてみましょう。
そもそもスマホが触れない所に置いてあれば、取られる事も投げられる事もありません。
その結果の原因を考えてみると必ず私たち親の原因も見えてくると思います。
その事を考えるようにするだけで、沸点は下がります。
ただし、一つ注意点としましては
パートナーに原因を探してしまうことはやめましょう。
例えパートナーに原因があったとしても、自分がそれをカバーできることは必ずあるはずです。
相手のせいにしないで、自分にできる対策を考えましょう。
悩み、後悔の繰り返し
叱り方の正解は誰にも分かりません。
自分の想いをぶつけたとしても、相手がどう受け取るかにもよりますし、影響があったのか、
その結果どうなるかも誰にも分かりません。
なので、私自身どう接していけばいいのかいつも悩んでいます。
「あの時は叱り過ぎたかなぁ。」「怒ってしまったなぁ。」
などと後悔も多々あります。
それを繰り返して、次はこうしてみようと試行錯誤しながら子供と向き合うようにしています。
深く考えない
悩むことや後悔することは成長する為に必要なことですが、
深く考え過ぎてしまうのは、精神的に良くないことなので
辛い時は手抜きや息抜きをしましょう。
親も人間です。
完璧であるはずがありませんし、ある必要はないと思います。
私は子供と共に自分も成長していけば良いと思って過ごしています。
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