なぜ?卓上グラインダーに非常停止ボタンが付いていない理由
目次
非常停止ボタンが付いていない理由=安全のため
非常停止ボタンは工作機械には必ずと言って良いほど付いています。
しかし、卓上グラインダーやバフ機にはその非常停止ボタンがついていません。
それは何故でしょうか?
答えは安全のためです。
「非常停止ボタンが無いのが安全?」
と思われるかも知れませんが、コレにはちゃんと訳があります。
それを理解するには、まずグラインダーの構造を知る必要があります。
グラインダーの構造
グラインダーは通常、回転方向と砥石を固定するためのナットの締め付け方向が同じになっています。
これは回転中に固定ナットが緩んで砥石が外れて飛散・飛来するなどの危険を防ぐ為です。
非常停止ボタンがあるとどうなるか
では、この構造に非常停止があった場合どうなるでしょうか?
高速回転中に急ブレーキが掛かると、固定ナットの締め付け方向と反対の方向へ力が掛かってしまいます。
そうなると、固定ナットが緩んで砥石が飛散してしまうという危険が生じてしまいます。
このことにより、卓上グラインダーのような工作機械には非常停止ボタンが取り付けられていないという訳です。
私たちができる安全対策
非常停止ボタンが無いということは、万が一巻き込まれてしまったり、砥石が衝撃で飛散した時など、瞬時に止める手立てはありません。
なので、私たちができることは、常日頃から点検などを怠らないようにして、正しい保護具を着用して作業することです。
作業前の試運転や軍手の着用禁止など、些細なことが自分自身の身を守ることに繋がります。
非常停止ボタンがある機械でもそれは変わりませんが^^
回転しているかどうかを目視で判断できるようにする
周りの環境音で、グラインダーの駆動音が聞こえないような職場だと高速で回転する砥石は止まって見えてしまうことがあります。
回転している砥石に誤って触れることが無いように、砥石の側面にペイントするなどして目視で回転していることが判断できるようにするのも安全対策の一つでしょう。
正しい止め方
グラインダーはスイッチを切っても惰性で回り続けます。
無理やり止めるのではなく、自然に止まり切るのを待ちましょう。
最後に
簡単ですが以上になります。
今回はふと気になった事を題材にしてみました。
当たり前にある工具でも、作り手は良く考えて作ってくださっている訳ですね。
安全に配慮された道具を、安全に使用することが使用者の務めだと再認識できました。
少しでも参考になれば幸いです。
当ブログでは初心者様へ向けたドリルの再研磨方法を紹介した記事もございます。
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少しでもお役に立てれば幸いです。
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ご覧いただきありがとうございました。
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