SS材とS-C材の溶接性の違い
本記事はSS材とS-C材の溶接性の違いと、焼き入れ効果についての簡単な説明となっています。
目次
SS材(一般構造用圧延鋼材)とは
SS材は非常に汎用性のある一般的な鋼材です。
鉄工所などで使われる鋼材の多くはSS材と言っても過言ではありません。
鋼板や丸棒、角材からL字のアングル、C型のチャンネル、H鋼など、様々な形状(形鋼)があり、非常に汎用性に富んでいます。
SS材の中でも多く使われているのがSS400です。
炭素含有量は0.15〜0.2%です。
ちなみに400という数字は引っ張り強さの最小保証値を表しています。
S-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)とは
S-C材はSS材と同様に汎用性のある一般的な鋼材です。
鋼板や丸棒、角材はSS材と同様にありますが、形鋼はありません。
S-C材はSとCの間に数字が入りますが、この数字は炭素量を100倍した数字となっています。
例えばS45Cなら、炭素量は0.45%となります。
基本的にSS材よりも高品質で、硬度も高めになっています。
ちなみに硬度は炭素量で変わり、炭素が多いほど硬くなります。
どちらが溶接に適しているか
溶接を行って加工する場合はSS材が適しています。
むしろS-C材は溶接での加工を避けなければなりません。
それは何故かと言うと、炭素量が0.3%以上の鋼材では溶接後の冷却で割れが入る可能性があるからです。
重量物を乗せるような製品や機械の修理などにS-C材を使用してしまうと、思わぬ破損が起きたりしてとても危険です。
その為、S-C材を使用する場合には溶接を避けてボルト締めで固定するなどの設計にする必要があります。
ちなみに、炭素量が0.3%以上だと焼き入れすることによって硬度が高くなります。
S-C材を溶接すると焼きが入って硬くなるので、溶接部周辺は加工しにくくなります。
SS材は0.2%以下なので焼き入れ効果はありません。
逆に焼き入れを行って硬度を高くしたい場合には、S-C材などを選ぶ必要があります。
まとめ
- SS材は溶接に適している
-
S-C材は溶接に適していない
-
SS材は焼き入れに適していない
-
S-C材は焼き入れに適している
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