L型のアングルやC型のチャンネルとはどんな鋼材?

勉強ノート

L型のアングルやC型のチャンネルとはどんな鋼材?


 

一般的に使用されている鋼材であるアングルやチャンネル、H鋼などの形鋼と呼ばれる鋼材は

どんな特徴があるのでしょうか。

目次

総称:一般構造用圧延鋼材

バリュエーション豊富で鋼板から形鋼まで揃っている鋼材はSS材(エス・エス)、一般構造用圧延鋼材と呼ばれます。

JIS規格での品種

JIS規格ではSS330、SS400、SS490、SS540の4種類です。

その中でも広く一般的に使われているのはSS400になります。

名前の数字は何?

SSに続く3桁の数字は最小保証引っ張り強さを表しています。

SS400なら400〜510N/㎜2の引っ張り強さが保証されています。



炭素量

SS400の炭素量は約0.15〜0.2%となっています。

炭素量は、硬度、焼き入れ効果、溶接の可否に影響が出てきます。

軟鋼と硬鋼

軟鋼や硬鋼などは炭素の量で分類されます。

炭素量が0.02〜0.3%は軟鋼に分類され、0.3〜2.1%が硬鋼に分類されます。

なので、SS材は軟鋼となります。

ちなみに炭素量が軟鋼よりも少ない場合は純鉄、硬鋼よりも多いものは鋳鉄に分類されます。

また、硬度は炭素量が増えるほど向上します。

焼き入れ効果

焼入れ効果の有無は炭素量によって決まります。

炭素量が少ないと焼きは入りません。

その一つの目安となるのが炭素量0.3%です。

0.3%以上から焼入れ効果が出るようになります。

つまり、硬鋼は焼入れ効果があり、軟鋼であるSS材は焼入れ効果はありません。

ただし、焼入れによって硬度が上がるのはおよそ0.6%までとなります。

 

硬鋼は通常でも軟鋼よりも硬度が上ですが、焼入れを行うことでさらに硬度が増すことになります。



溶接の可否

溶接にも炭素量が関係してきます。

溶接も焼入れ効果と同様に炭素量0.3%が目安となります。

溶接の場合は、0.3%未満は溶接が容易となりますが、0.3%を超えてくると溶接は避けるべきという判断になってきます。

なぜかと言うと、炭素の含有量が増えると焼入れ効果が出てくると同様に、溶接の熱によって高温になることで母材に焼きが入ってしまうからです。

そうなると、溶接部の周辺は硬くなるので加工が難しくなってしまったり、溶接部が急速に冷えることで溶接部に焼き割れが生じ易くなってしまいます。

その為、機械の修理などで溶接して修理する場合は硬鋼を避けたり、硬鋼を使用する場合には溶接では無くボルトなどを使用した設計にする必要があります。

 

もっと材料の知識を知りたい方へ

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鉄やアルミ、銅などの金属材料や非金属材料のプラスチックとセラミックスなど様々な材料の特徴や、その他熱処理の初歩的な知識、材料の選定の手順まで、初心者の方へ向けた分かりやすい内容となっています。

 

最後に

一言に鉄や鋼材と言っても様々な種類や材質があります。

一般的なSS材も身近であるが故にどんな材料なのかもよく分からないけど使っているなんてことがあるかも知れません。

その小さな疑問の答えと、プラスαの知識を知って頂けたらと思い、この記事を書かせていただきました。

 

少しでも参考になれば幸いです。

 


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