切れないドリルを無理やり使うとどうなるの?
切れないドリルは通常のドリルよりも負荷が高くなります。
そんなドリルを使い続けると一体どんなリスクがあるのでしょうか?
目次
加工中に焼き付く
切れないドリルで加工し続けると、加工中に被削材の中でドリルが焼き付いてしまう可能性があります。
焼き付いてしまうと、材料とくっついてしまって抜けなくなったり折れたりしてしまいます。
そうなると材料もドリルも廃棄することになってしまいます。
また、仮に抜けたとしても先端部は切れない負荷で高熱が掛かり、焼きが入ってしまうので再加工にも苦戦することになります。
下穴が開いている素材を無理やり加工すると、ドリルの外径(マージン)が損耗していってしまいます。
ドリルの修正も損耗が取れるまで削る必要があるのでかなり短くなってしまうと思います。
素材も先程の場合と同様に焼きが入り加工しにくくなります。
いつもと違う音が鳴り出した時はまず切れていないので、一度確認すると良いでしょう。
焼き付いたドリルの修正に関してはこちらをご覧ください。
固定具(チャックやバイス)から外れる
ドリルが噛み込んでしまったり焼き付いてしまいうと、
素材が固定具から外れてドリルと一緒に回ったり、固定具ごと回ったり、
旋盤では素材を把握しきれずにチャックだけが周り続けて損耗してしまいます。
素材がドリルと一緒に回り出すと、最悪の場合素材が外れて飛来する危険があります。
万が一そのような事態になった時はすぐに回転を止めるようにしましょう。
工具、機械の破損
切れずに負荷が高いということは、機械に掛かる負荷も高いということです。
ドリルチャックがドリルを把握しきれずに回ってしまうとドリルチャックが損耗してしまいます。
また、前項のような状況が起こると固定具が損耗、破損し、機械のモーターが壊れたりする可能性もあります。
普通旋盤では芯押し台のハンドルを回して穴をあけて行くわけですが、
無理くり押し込んでいると最悪の場合芯押し台の中にある真鍮のネジの機構が破損してしまう恐れがあります。
芯押し台は精密機械であり、破損した部分の部品だけ交換というわけには行きません。
雄ネジと雌ネジをセットで交換する必要があり、その上、その他の部品とも調整する必要があるため、修理するコストは馬鹿になりません。
最後に
研ぐのが面倒だからと、横着をしているととんでもないツケが返ってくることになります。
外注に再研磨依頼をしたり、社内でしっかり再研磨するようにしましょう。
当ブログでは初心者様へ向けたドリルの再研磨方法を紹介した記事もございます。
興味のある方はぜひご覧ください。
少しでもお役に立てれば幸いです。
また、YouTube動画もありますのでそちらも是非ご覧ください。YouTubeは更新頻度がかなり遅いですがチャンネル登録していただけると励みになります。
ご覧いただきありがとうございました。
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