【手研ぎ】ドリルの理想の形状
手で研いだドリルは、実際に加工に使用してみるまで本当に上手く研げたのかどうか分かりません。
研ぎ始めて間もない頃は、加工してみてもそれが良かったどうかも分かりにくいので、
使用中や使用後にどのようになれば、良い研ぎ方が出来ているかを紹介していきたいと思います。
目次
切り粉が左右対象に出てくる
これは一番分かりやすい加工中の状態です。
左右の切れ刃が同じ角度で芯が出ていると、両側の溝から同じような切り粉が出てきます。
左右対称の切り粉が出てきたら、上手に研げたサインです。
逆に、片側からしか切り粉が出てこない場合は、切り粉が出てきている側の刃が先に当たってしまっています。
もう片方から全く切り粉が出ない状態だと片刃にのみ負荷がかかってしまうので、
芯ブレしやすく、刃が欠損しやすくなってしまいます。
簡単な修正方法についてはこちらの記事をご覧ください。
変色が切れ刃のライン上のみ
加工後にドリルの状態を確認した時に、熱で変色していると思います。
(クーラントを使用して加工している場合はほぼ変色しません。)
変色が切れ刃の周辺だけだと上手に研げています。
そのほかの逃げ面に変色が見られる場合は、その部分も加工時に干渉しているという事になります。
逃げ面が干渉している場合は、切り込みの際に負荷が大きいので切り込むの時の感覚が重い場合は干渉していないかを疑いましょう。
また、切り込んでは行くものの、ドリルが小刻みにビビる場合は若干の干渉があると思います。
芯ブレが少なく、しばらく切り込むと止むようでしたら、そのまま加工しても問題ないと思います。
(求められる精度にもよります。)
写真の変色具合を見てみましょう。
一見良さそうにも見えますが、、、
白丸の部分の逃げ面も変色しています。
つまり加工時に逃げ面も少し当たってしまっています。
この程度なら切り込み時に若干ビビる程度になります。
次に、赤丸の切れ刃の外側の部分は変色が少ないです。
これは均一に研げていないということになります。。
つまり変色の多い真ん中に近い刃の負荷が大きい状態です。
このドリルでも問題なく穴は開けられますが、長持ちはしないと思います。
最後に
細かい事を突き詰めてしまうと、果てしないですが
そこが楽しくもあります。
上手く研げた時はやはり嬉しくなるので、私自身常に一定のクオリティで研げるように
日々練習しています。
少しでも参考になれば幸いです。
また、当ブログでは初心者の方に向けたドリルの基本の研ぎ方の記事やYouTube動画もありますので、そちらも是非ご覧ください。YouTubeは更新頻度がかなり遅いですがチャンネル登録していただけると励みになります。
ご覧頂きありがとうございました。
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